brown girl dreaming
brown girl dreaming by Jacqueline Woodson
ポエムってこんなに味のあるものだったのね、と 私の考え方を変えてくれた一冊です。
本を読むのは子供の頃から大好きなのに、学生時代は国語で伸び悩み、中でも詩、ポエムってわけわからん。苦手意識満載で、そのまま大人になりました。
この brown girl dreaming は、そのポエムで構成されています。そう、最初っから最後の349ページ目まで、ずっとポエムなんですよ。
そんなこと知らなくて借りてみて、えっと思ったけれど、賞も色々取ってるし試してみるかと読み始めたら以外と読みやすく、なんだ、ポエムって短いだけで普通やん、とまず思い、読み進めて、どんどん読み進めていくうちに、これってアルバムみたいだなと思うようになったのです。
一瞬一瞬の風景、溢れるばかりの感情を切り取って言葉の形で残しておく。写真とは媒体が違うけれど、残しておきたい一コマを大切に描写するのは一緒かな。言葉で作られた風景がポエムなのかなと私の中のポエム像をガラッと変えてくれた作品です。
brown girl dreaming だから、てっきり黒人差別がテーマだと思って読み始めたら、そこでもいい意味裏切られました。もちろん差別されたり、いじめられたり、黒人であるばかりに身なり、行動を過剰にきちんとしていなくてはいけないことを鋭く描写している部分もあるんだけれど、差別の激しかったであろうアメリカ南部での暖かい思い出、中でも良き理解者のおじいちゃんとの忘れがたい日々もたくさん散りばめられています。
とっても優秀なお姉ちゃんや歌の上手なお兄ちゃんの影に隠れて、勉強も歌もイマイチ(彼女曰く、です)の彼女が自分を見つけていくステップも素敵です。おじいちゃんの前ではとっても上手に歌える!全世界、全人類にこんなおじいちゃん的な人が一人は必要ですよね。
アメリカでの黒人の立ち位置、南部と北部での違い、宗教の問題、そして家族とは。
半分創作、半分真実。お母さんが「家族のこと以外なら何を書いてもいいわよ。」と言ったとか。この本のほとんどが家族のことなんですけど、お母さん!brown girl がペロッと舌を出しているのが思い浮かびます。
素敵なポエムが多数載っている中で、私がとりわけ気に入ったのはこのふたつ。
p.90 the fabric store
p.234 daddy this summer
Lexile 990L
349ページ
National Book Award
Newbery Honor Book
Boston Globe-Horn Honor Book
Coretta Scott King Award
Notable Social Studies Trade Books for Young People
Robert F. Sibert Honor Book
NCTE Notable Children's Book in Language Arts