The House of the Scorpion
The House of the Scorpion by Namcy Farmer
ティーンエイジ向けのサイエンスフィクション、アドベンチャーファンタジー。ニューベリー名誉賞取ってるから、まぁ面白いのかなって読み始めたらページをめくる手が止まらないって言うやつでした。400ページ弱の本なのに一気読みしたもの。
主人公はクローンの少年。人とは何なのか、ヒトとは何なのか、家族とは何なのか、そして自分とは何なのか。一気読みさせてくれる勢いがありつつも、色々と考えさせてくれる本です。
破綻した家族、社会、世界でも一番大事なのは大切な人とのつながりなのかなぁ。
作者はメキシコに住まれていたのかなと思わせてくれる描写がそこここにあふれていて、ストーリーに温かみと深みを付け加えてくれています。美味しい湯気のほかほか立ち上っているタマレスを食べたくなっちゃいます。
・380ページ
・Lexile 660 なので英語的には難しくないのだけれど、ストーリー的には小学校高学年か中学生以上向けかな。大人でも十分読み応えがありです。
・なんだか色々とたくさん受賞しているので、メインどころをいくつか書いておきます。
National Book Award for Young people's Literature 2002
Newbery Honour 2003
Michael L. Plintz Award Honour book 2003
続編:The Lord of Opium はThe House of the Scorpionからガラッと雰囲気が変わって、すすっかりSF調。1冊目は2002年、2冊目は2014年に出ています。今時のZoomミーティングを彷彿とさせるホロポートでコミュニケーションを取ったり、環境問題が前面に出てきたり、と10年の歳月を感じさせてくれます。なかなか興味深い話ではあるけれど、個人的に楽しめたのは断然1冊目、The House of the Scorpion でした。
(2020 October)