Bookwormy’s Diary

英語の本も面白いかも :)

Hamilton : 全歌詞と解説、写真もたくさん!

Hamilton: the revolution: being the complete leberetto of the Broadway musical

 

 

 

ハミルトン観てもセリフと言うか歌詞と言うかがよくわからないんだよね、ってぶつぶつ言っていたらクリスマスに本書が届きました。

 

音楽のリズムが良くて耳に残るものも多いからセリフを聴き取れなくても十分楽しめるのだけど、やっぱりセリフもちゃんとわかりたいという方には超おすすめです。歌詞はすべて書いてあるし、写真も決めのシーンが満載。楽屋ネタとかもたくさん載っていて、これだけ読んでいても十分楽しいです。

 

周りに聞いてみると、英語ネーティブの人たちにも早口でわからないところも色々とあるらしいです。5時間のショーを2時間半に詰め込んでるよねって言ってました。

 

普通の映画だと結末を知ってしまうと面白さが半減だけど、これはある程度前知識を入れてから観たほうが面白いです。軽く歴史を読んでおくと流れがわかりやすくていい感じ。ネットでもたくさん出ているし、子供向きの本、ハミルトンも簡潔でよかったです。

 

オペラを観るのにお勉強と言うか下調べをして、曲も聞いて、もちろんストーリーも知っているのに楽しめるのって不思議に思っていたけれど、ハミルトンはまさにストーリーも曲も知っていても楽しめる素敵なミュージカルです。

 

観る前に知っておきたい重要事項は1部と2部で同じ俳優さんが違う役を演じていること!ここ、要確認です!

 

もともとブロードウェイのミュージカルを映画にしてあるので、舞台装置も見どころ。あの限られたスペースを狭く感じさせないところはさすが。

 

ハミルトン役を始めとして多くのの俳優さんが有色人種。アメリカ建国の父のストーリーをいわゆるWASP以外の俳優たちで演じる。アメリカっていろいろと問題山積みだけど、前に進んでいってるんだなぁって嬉しかったり、しんみりしたり、考えさせられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

Scythe

Scythe  by Neal Shusterman

 

飢えも病気も、そして老いまでも克服された穏やかな未来社会。世界を見守るのはやさしく思慮深いAIのサンダーヘッド。そんな中でサンダーヘッドが権限を持たないことが一つだけある。それは増え続ける人口を抑制するために人を死なせることを生業とするサイズ(死神の鎌)の世界。彼らは何を思い、死に行く人を選び、命を奪うのか。

 

Scythe (Arc of a Scythe Book 1) (English Edition)

Scythe (Arc of a Scythe Book 1) (English Edition)

 

 

死は何人にも分け隔てなく訪れる、その大前提が覆された未来で飢えにも病気にも老いにも脅かされず生きる人々。人口の増加が避けられない世界で誰が死ぬのかを選び、追行するサイズたち。難しい立場の彼らを守るシステムはあるものの人の目は厳しく、死神のように忌み嫌われ、家族からも距離を置かれる。

 

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What's the point of Math?  

What's the point of Math? DK series

 

 

What's the Point of Math?

What's the Point of Math?

  • 作者:DK
  • 発売日: 2020/01/28
  • メディア: ハードカバー
 

 

 算数、なんで勉強せなあかんの?って思ったこと誰でもあると思います。算数をしているとこんなことができるんだよ、知っているとすごいよ、面白いんだよって教えてくれる本です。

 

日本の本だと「わくわく数の世界の大冒険」とかその手の本もたくさんあるように思うのですが、英語でとなるとあまり思いつかないんですよね。Sir Cumferanceとかが近い?

 

数の数え方の歴史に始まって、税金をどう集める公平になるか、地球の大きさをどうやって計算したか、人を説得するにはデータを使おう、とか数にかかわるお話を分かりやすく説明してあります。

 

ゼロの歴史や時間の歴史は年代表がついていて、私たちが当たり前に毎日使っているこういった概念は数々の明晰な頭脳の持ち主が悠久の年月をかけて作り上げていったものだというのが伝わってきて感動しました。子供たちはそこまで深読みしないかもしれないけれど、やっぱり先人の偉大な功績だと思います。

 

挿絵がまたいいんです。アスリートが義足だったり、税金の集め方のページで一番のお金持ちが女性だったりします。自分では偏見はあまり持っていないと勝手に思っていたものの、自分が固定観念の塊だとハッとさせられました。

 

最近は違っているのかもしれませんが、私が子供の時には計算問題とかひたすらやっていたように思うのです。まぁそれも算数なんだけど、算数ってもっとすごい威力を持ってるんだよねって再認識させてくれる楽しい本です。

 

追伸:アラン・チューリングのシマウマの話がよくわかりません・・・

 どなたか分かった方、説明してください・・・

 

 

 

 

 

 

Project 1065

Project 1065  by Alan Gratz

 

 

Projekt 1065 (English Edition)

Projekt 1065 (English Edition)

 

 

 

 

主人公のマイケルはアイルランド人ながら第二次大戦中のドイツに両親とともに住んでいます。スイスと同様に中立国だったアイルランドは大使をドイツにも駐在させており、マイケルの父親がアイルランド大使だったのです。でもそれは表向きの顔。実は両親ともに連合国側のスパイでした。

 

ヒトラーが、ドイツが、どのようにヒトラーに追従するグループを作り上げ、納得していない国民を逆らえないまま言いなりにさせて行ったかを追体験できます。自分がこの場にいたらこれは逃げられないだろうな、と思ってしまう怖さを実感。ヒトラーの実際の演説からの言葉など多くの事実を盛り込んだフィクションになっています。

 

両親がスパイだったと告白されてからのマイケルは自分の良心に反して良きヒトラーユースの仮面をかぶり、天才的な記憶力を駆使して機密情報を集めに奔走します。このヒトラーユースの描写が実際こうだったのか、フィクションがかなり混じっているのか知りたいところです。読みながら「蝿の王」を思い出しました。

 

「多くの人を助けるためには、少数を犠牲にするのか?」このテーマが繰り返し出てきます。

 

子供にそんな選択を迫るなんて、と思う反面、世界を見ても歴史を見ても子供達が大人の戦いに巻き込まれている状況は珍しくありません。為政者の判断によって世界はこれだけ変わるのだと言うことも知っておくべきですよね。やはり子供達にも読んで欲しい本だと思います。

 

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ふむふむ用に借りた本の中から面白そうなものを見繕って読んでいたら第二次大戦の話が続いています。ふむふむも戦争ものを読む年代になってきたと言うことですね。

 

この本も子供向けで対象年齢は9歳から12歳とかになってるのだけれど、感受性の高い子だったら夢を見そうな内容。12歳以上、15歳以上でもいいかなぁって個人的には思います。怖かったもの~

 

Lexile Measure 780L

 

英語レベル的には読みやすいです。

 

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ネタバレ

 

まるでスパイ映画のシナリオを読んでいるようなハラハラドキドキが満載されています。個人的にはフリッツは実は何か事情があって熱狂的なヒトラーユースを演じているのではとずっと疑っていたのだけど、そのまますんなり本当に熱狂的だったんだと、ちょっと肩透かし。でもフリッツはヒトラーヒトラーになっていく野望を抱く過程を表しているのかも。小さくていつもいじめられて仲間外れにされていた若者が周りを見返すために野心を抱く、あるかも。

 

ジェット機のデザインに関与していたと思われるフリッツのお父さん(?)が一度も登場しなかったり、フリッツの不思議な妹はなんだっのとか、ちょっと気になるんですけどね。

 

ヒトラーユースの10歳そこそこの子供達がジェット機の設計図に近づけたり、マンハッタンプロジェクトのことを聞いたりというのは、実際にはまずなかっただろうなぁと思うもののフィクションとしては面白く読めました。

 

む〜す自身は良きにつけ悪しきにつけ熱狂的になりにくい性格なので、ヒトラーのため、ドイツのため、だったり科学者を救うためにフリッツやマイケルが全てを投げ出して手段を選ばず目標追行に邁進する様子に途中で引いてしまって、そこまでやるかなぁと思ってしまいました。心情的にはBook Thief の方が寄り添って読めたかな。それでもそんな私を最後まで一気に読ませてくれる勢いはあったので、やっぱりおすすめです。

 

 

 

 

 

映画にもなったハミルトンの伝記

DK Life series  

Alexander Hamilton  by James Buckley Jr.

 

DK Life Stories: Alexander Hamilton

DK Life Stories: Alexander Hamilton

  • 作者:Buckley, Jim
  • 発売日: 2019/04/09
  • メディア: ペーパーバック
 

 

最近何かと話題のハミルトンの伝記です。

 

知り合いから映画をぜひ観て感想を聞かせてほしい、とか、学校の音楽の時間にクラスで観たりだとか、知り合いの子供がドレスアップしてハミルトンの曲を歌いながら踊っているYouTubeを見せてもらったりだとか、本当に人気の映画、ハミルトン。元はブロードウェイミュージカルなんですね。でももちろんブロードウェイには見に行けないので、映画を観る予定です。はい、まだ観ていません。その前に予習です。

 

アメリカ人の知り合いにアメリカの歴史をあまり知らない日本人が観たらどう感じるのかがとっても興味があるからぜひ観て感想を聞かせてほしいと言われた際に、少々歴史のレクチャーをしてもらったもののよくわからず。どこから質問していいのかさえよくわからず。

 

まず借りてきたのがお気に入りのDK Life series のアレクサンダー・ハミルトン

 

このDKライフシリーズにはお世話になっています。小学生向きの伝記シリーズだけあって読みやすく、簡潔にまとまっていて短時間で要点をつかむのにちょうどいいです。少し難しいと思われる単語や概念、さらには文化的な背景も丁寧に説明してくれているのも私にはちょっとボーナス。

 

USコインの造幣所マークでどこで作られたかわかるとか、別に知らなくて全然いいけど、知ってるとちょっとうれしい(私だけ?)情報なんかもあったりして、やっぱり子供向けの本、大好き。

 

ミュージカルや映画にも言及されています。

 

映画、観てわかるかなぁ。

 

 

The Hunger Games

The Hunger games  by Suzanne Collins 

 

 

The Hunger Games (Hunger Games Trilogy, Book 1)

The Hunger Games (Hunger Games Trilogy, Book 1)

 

 

 

これも寝る間を惜しんで読んでしまった本の仲間入りをしました。

 

ずいぶんと長い間、薦められていたのに手に取るのに数年かかってしまいました。でも読み始めたら止まらなかったです。

 

ハンガーゲームは無理やり最後の一人まで殺し合いさせられるらしいというのを聞いて、それって大人の感覚で面白いって言う???となかなか手を出せなかったわけです。でも私の本の好みを知っているふむふむが面白いから読んでみたら、と何度も言うので、まぁ読む本もないし、と手に取ったら一気読みでした。

 

ストーリーは、はい、聞いていた通り、無理やり選ばれた24人のティーン達が生き残りをかけて最後の一人まで殺し合いをするんです。でもフォーカスは殺し合いではなく、世の中の平等、不平等、人を信じること、政府の人民に対するオーバーコントロール。私はテレビをほぼ見ないので感覚がずれているかもしれないけれど、人が殺し合いをするのを見て熱狂する特権階級の人達は、今時のリアリティーショーを風刺している部分でもあるのでしょう。

 

主人公はティーンエイジの女の子、キャットニス。これだけ体力的にも内面的にも強い女の子が主人公なのもいい感じです。

 

対象年齢が小学校高学年からになっているサイトもあったりと言うことで、子供にこの本を読ませていいものかと学校やネット上で議論になったそうです。個人的な意見としては、子供によるだろうけれども、基本的にはOKだと思います。親も読めば、いろんな場面をどう思うかを一緒に話し合ったりもできると思います。

 

こんなに読み応えがあって面白いのにメインどころの賞を受賞していないのも、この辺り賛否両論があるのが理由なのかも。バトルロワイヤルの盗作だとの疑惑も付いて回っているみたいです。私はバトルロワイヤルは知らないので、ノーコメントにさせていただきます。

 

ちなみにうちのは3年生くらいでこっそり読んでいたようです。私はこれと言ってコメントしていなかったし、我が家では読む本に制限をかけているわけでもないのに子供がこっそりと読むような、そんな本みたいです。それはそれ、読書のスパイスになって、さらに美味しくなったかも。

 

374ページ

Lexile measure : 810L

 

 

Bomb 原子爆弾開発競争

Bomb : The Race to Build - and steal- the World's Most Dangerous Weapon  by  Steve Sheinkin

 

Bomb: The Race to Build - and Steal - the World's Most Dangerous Weapon

Bomb: The Race to Build - and Steal - the World's Most Dangerous Weapon

  • 作者:Sheinkin, Steve
  • 発売日: 2018/01/09
  • メディア: ペーパーバック
 

 

第二次大戦中、ヒトラーに対抗するために原子爆弾をドイツよりも先に成功させたいアメリカはアメリカはもちろん、同盟国(?)のトップの科学者たちを集めて秘密裏に原子爆弾の開発を急ぐ。そこにソ連とのスパイ合戦が加わってドキドキハラハラ、小説さながらの、でもきっちりと史実に基づいた原子爆弾開発競争のお話です。

 

結末を誰もが知っている史実をこれだけエキサイティングに書けるのかと心底感心します。結果、原爆が日本に落とされるのがわかっているのに、ストーリーの途中までついついマンハッタンプロジェクトの科学者たちを応援してしまっている自分に気がついて・・・

 

そうなんです。科学者たちもそんな感じで巻き込まれていったのではないかと思います。科学を追求したい科学者たち、自分の国を守りたい科学者たち、そして先端の科学を使って事を有利に進めたい政治家たち。科学者も科学の方向だけを見ているとこういう結果になり得るんだと言うことも教えてくれてる読み物です。昔から戦争によって科学は飛躍的な進歩を遂げたと言われているけれども、その価値はあったと言えるのか。その進歩の先には何が待っているのか。

 

スパイになる人たちのメンタリティーも様々で、興味深いです。中でもアメリカだけが原子爆弾を持つよりも、もう一つの勢力、ソ連原子爆弾を作って均衡を保つべきだと考えて情報を流すスパイたち。実際に自分の行動が世界の将来を大きく変えるどういう感じなんだろう。小心者の私には及びもつかないです。

 

広島の後、たった3日後に長崎に原爆が落とされた経緯、オッペンハイマートルーマンの関係、戦後、さらなる破壊力を求めて水爆を推進したいアメリカ政府とそれに反対のオッペンハイマーの扱い、スパイに対するイギリスとアメリカの扱いの差、どれもこれも興味深いです。

 

National Book Award Finalist

Newberry Honor

 

251ページ

Lexile measure 920L